名古屋大学発ベンチャー企業であるグランドグリーン、6.5億円の資金調達を達成

アグリバイオベンチャーのグランドグリーン株式会社(本社:名古屋市、代表取締役:丹羽優喜、以下:グランドグリーン)は、シリーズCラウンドで総額6.5億円の資金調達を実施しました。資金調達は、京都大学イノベーションキャピタル株式会社をはじめとする8社からの第三者割当増資および株式会社りそな銀行からのベンチャーデットにより実現しました。これにより、同社の累計資金調達額は16億円となりました。

今回の資金調達により、グランドグリーンは組織体制の強化と研究開発機能の増強を図り、より多くのパートナーと新品種の開発を並行して実施することが可能になります。同社はゲノム編集技術を中心とした最先端技術を活用し、種苗からの新たな価値創造を加速させる計画です。

グランドグリーンは2017年4月に名古屋大学発ベンチャーとして創業し、次世代の農・食を創造する研究開発型アグリバイオスタートアップです。同社はこれまでに、植物のゲノム編集プラットフォーム技術(Gene App™および3GE™)を開発し、トマトをはじめとする10種類以上の作物において実用品種へのゲノム編集技術適用の実証に成功しています。「Envision Future Plants. 未来の植物を描こう。」をスローガンに掲げ、迅速な種苗開発を実現し、激変する環境に対応した新たな農業・食を目指しています。

新品種共同開発実施フロー:プレリリースより引用

CRISPR-Cas9システムライセンス取得でゲノム編集の未来を拓く

引受先には、京都大学イノベーションキャピタル株式会社、三菱UFJキャピタル株式会社、栖峰投資ワークス株式会社、SBプレイヤーズ株式会社、みずほキャピタル株式会社、ヒューリックスタートアップ株式会社、愛知キャピタル株式会社、名古屋中小企業投資育成株式会社が名を連ねています。これらの企業の支援を受け、グランドグリーンはさらなる成長を目指します。

さらに、グランドグリーンは米Corteva Agriscience社子会社であるPioneer Hi-Bred International社および米Broad Instituteから、ゲノム編集ツールであるCRISPR-Cas9システムの作物分野での包括的な商用ライセンスを取得しました。このライセンスにより、全世界におけるCRISPR-Cas9特許ポートフォリオへのアクセスが可能となり、研究開発から商用化までワンストップでの提供が可能となりました。2024年には、ゲノム編集により作出された初のトマトを市場に導入する計画です。

名古屋大学で開発を進める高糖度トマト:プレリリースより引用

グランドグリーンはまた、独自のAI予測プログラムを用いた遺伝子発現強度の予測モデルを構築し、ゲノム編集による遺伝子発現の変動予測を可能としています。この技術により、作物種苗の分野におけるゲノム編集の活用範囲を広げ、独自の価値提案を行っていくことが期待されています。

代表取締役の丹羽優喜氏は「この度の資金調達にご協力いただいた皆さまに感謝申し上げます。私たちのミッションは、先端テクノロジーで植物のポテンシャルを最大限引き出し、世界を幸せにすることです。引き続き、理念に共感していただける皆さまとともに、事業を推進してまいります」とコメントしました。

                           (以上、プレリリースより引用)